REIT市場春の騒乱〜今週の論点〜
今週のREIT・不動産市場は年度始め早々様々な動きがあった。
TOB、テナント退去、1年半ぶりのPO...
それぞれの発行体が、このコロナ禍の激動の環境を生き抜く工夫をしていることが読み取れた。
今回は4/3~4/9まで起きた大きな3つの出来事について振り返っていきたい。
ケネ商PO
4/7にケネディクス商業リートがPO(公募増資)を発表。
発行口数は43,800口で、POによる取得物件は商業施設4物件の大型POとなった。
※Yahooファイナンスより
ケネディクス商業リートは投資口価格がコロナ前に比べ、ほぼ回復しており、絶好の位置でのPOと言えるだろう。
他の商業リートの比べて、生活密着型でコロナの影響が少なかったケネ商のPOによるさらなる発展に期待だ。
インベスコTOB
4/2にスターウッドによりインベスコオフィスジェイリート投資法人へのTOBが発表された。この発表はJ-REIT業界全体を賑わした。
この発表の影響でP/NAVが低いREITへの資金流入があり、東証REIT指数の動きは堅調であった。
本TOBに関してはインベスコオフィスは「突然行われたものであるため、精査する」との回答。
詳しくはこちらのnoteを参照いただきたい。
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インベスコ電撃TOB!!徹底解説|投資家タヌキ(REIT研究)|note
森トラ/新橋駅前MTRビル・ヤマダ電機退去
※森トラスト総合リート投資法人・プレスリリースより
森トラスト総合リート投資法人より4/5、テナントであるヤマダ電機が退去するプレスリリースが出た。
退去時期は2021年12月であり、それまでに新テナントを誘致できるか否かがカギになる。
ヤマダ電機は不採算店舗を縮小していく方針をとっており、コロナ禍で人手が少なくなった新橋駅前店がその対象になってしまった。
総括
コロナ感染者数が増加し、第四波が懸念されるなか、またアフターコロナを見据えた各REIT の動きが見てとれた。
日本はワクチンの普及が遅れ、今後もコロナとの戦いは続く。REIT ・不動産業界全体で大きな動きが予想される1年になりそうだ。
※本記事は情報提供を主たる目的としたものであり、投資手法を紹介したり特定の銘柄を推奨するものではありません。個々人の投資に関しての責任は一切取りかねますのでご留意ください。