S&Pケースシラー住宅価格指数とは??
今回は米国の景況感を表す指標として有名なS&Pケース・シラー住宅価格指数(S&P/Case-Shiller U.S. National Home Price Index )について、解説していく。
S&Pケース・シラー住宅価格指数とは?
S&Pケースシラー住宅価格指数(S&P/Case-Shiller U.S. National Home Price Index )は、米ファイザーブス社が算出し格付け大手会社S&P社が発表する指標で、アメリカにおける住宅価格指数である。
アメリカの毎月第4火曜日に発表され、その数値は世界の株式指数に大きな影響を与える。
カール・ケース教授とロバート・シラー教授によって開発され、アメリカ主要都市の一戸建て戸建て住宅の指標だ。
(ロバートシラーは経済学者としても超有名でノーベル経済学賞も受賞している。私が尊敬している天才のうちの一人。)
日本では同様の指標で著名なものはないが、あえて当てはめるとすれば、日本不動産研究所の「不動研住宅価格指数」や国交省の「不動産価格指数」であろう。
日本のそれらの指数は主にマンションを取り扱っているは、S&Pケースシラー住宅価格指数は戸建て住宅をメインに取り扱っていることも特徴の一つだ。
それは、アメリカの住居が戸建てであることに寄因している。
ただ、日本ではこれらの不動産指数が株式市場に影響されることはない。
それでは、なぜアメリカではS&Pケースシラー住宅価格指数が株式市場に大きな影響を与えるかというと、データが精緻に整っているからという点に尽きる。
日本においても、不動産市場のデータを豊富にしてS&Pケースシラー住宅価格指数のような指数が開発される必要があると思うし、私自身開発にチャレンジしていきたい。
直近の指数の動き
最後にS&Pケースシラー住宅価格指数の動きについて見てみよう。
(参考)S&Pケースシラー住宅価格指数2000年〜2021年推移
2008年のリーマンショックが起きてからの下落が顕著で2013年からの2020年にかけては世界的な金融緩和の流れの影響もあってか平均5%の上昇を続けていた。
特筆すべき点は、コロナ禍の2020年から2021年にかけて指数が10%を超える急上昇している点だろう。
これは、コロナショックで不動産市場が下落せず逆に超壮大な金融緩和によって高騰した一種の特徴を表していると言えるだろう。
コロナが終息した後、金融緩和が引き締められる局面でもこの指数の動きには注目していく必要がある。