3月REIT決算発表まとめ(イオン、ケネレジ、東急リアル)
3月に決算を発表した1月締めのREITについては15銘柄あるが、その中から3銘柄ピックアップ
して紹介していきたい。
今週は24日に地価公示が発表された。商業地が下落し、逆に郊外の住宅地が堅調という
コロナ禍の影響を大きく影響された形となった。
REITの決算発表についても、この1年のコロナ禍の不動産の動きを如実に反映することに
なった。
【イオンリート投資法人第17期決算】
1月度分配金:3,200円(前回比:+70円)
ご存知の通り、「イオン」の商業施設を主に保有するREIT。商業REITといっても生活密着型施設であるためコロナが逆に後押しになり、テナントからの減賃要請もなく安定した運用ができた。
その結果、増配を実現した。
毎期、物件取得を行っており、今後は資産総額を現状の3,955億円から5,000億円を目指す。
ウィズコロナ時代では需要が増したがアフターコロナでの需要変化にも注目したい。
【ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人第18期決算】
1月度分配金:4,066円(前回比:+1円)
昨年度、SMFLグループにより買収されたケネディクスの公募REITの一つ。
他の住宅REIT同様、今期は賃料上昇率が鈍化し、稼働率の低下が見られた。
その収益低下を2物件の取得、1物件の売却という形で補った。
今後も積極的な物件売買を行う意向。それに対し、SMFLのパイプラインを
どう生かすのかも注目が集まる。
分配金は上場以来、1年ごとに1円ずつあげていくスタンスは変わらない。
今後は如何に投資家からの信頼を集め、利回りを下げていくのかに注目したい。
【東急リアル・エステート投資法人第35期決算より】
1月度分配金:3,760円 (前回比:+209円)
東急をスポンサーとするオフィス・商業中心のREIT。渋谷を牙城とする東急に影響されてか保有物件も渋谷に所在するものが多い。
渋谷オフィスは新興系のIT企業が多くテレワークの影響で、一早くオフィスの空室率が上昇したエリアで商業施設も自粛の影響で芳しくなかった。
次期の7月期には、オフィスの空室率が低下すると予測し、分配金の減配を予想。ただし、今後の分配金のボトムを3,360円に設定し、それ達しなかった場合は内部留保や物件売買で対応していく。
徐々に社会がコロナ禍から解放される段階でオフィスの需要が戻ること、商業施設に人が戻り、テナントが問題なく営業できる日が待たれる。
総括
1月決算締めのREITは生活密着型REITの好調さ、商業・オフィス(少し住宅)の不振を色濃く表す結果となった。
ワクチンの接種も始まり、徐々にコロナから解放される過程で不動産の様式も変化してくるだろう。その変化に合わせてオフィスや商業などが復活するのか。その変化にREITはどう対応するのか注目していきたい。