REITニュース(日本都市ファンド、JR東日本)
本記事では今週(4/26〜30)に起きたREIT業界でのイベントについて数本取り上げていきたい。
今回、取り上げる2つの出来事はREIT業界に新風を引き起こしそうな今後が楽しみなプレスリリースであった。
日本都市ファンド・私募REITの投資口取得
4月28日、日本都市ファンドが日神プライベート投資法人の投資口を取得する。
公募REITが私募REITの投資口を買うという前例はなく、驚いた人も多いと思う。
このディールの目的は以下のように発表されている。
・住宅アセット運営力の向上
・住宅特化型私募REITの投資口取得を通じた規模感のある住宅資産の獲得
このプレスより、日本都市ファンドがオフィス・商業だけでなく、住宅も含んだ「真の総合REIT」を目指していくという意図が読み取れる。
日本都市ファンドは今年の3月に、オフィスREITであるMCUBS Midcity と商業である日本リテールファンドが合併して誕生したばかりのREITだ。
次々とREITにとって画期的な取り組みをやっており、今後の成長が非常に楽しみなREITの一つである。
JR東日本AM会社設立
4月30日、JR東日本はみずほフィナンシャルグループと共同して、JR東日本不動産投資顧問を設立することを発表した。
JR東日本は2020年2月に私募ファンド1号を設立しており、今後はAM会社を法人として設立することで、不動産ファンドビジネスに本腰を入れる。私募ファンドからのスタートになるが、今後は公募REITも目論んでいるようだ。
鉄道会社の不動産ファンドビジネスへの参画は、JR東日本でなく、JR西日本・九州も表明している。
なぜ、鉄道会社が相次いでREITに参画するかというと、
本業の鉄道事業が厳しくなっていることから、不動産部門での収益性を高めようとしているからである。
そのため、鉄道各社は今後鉄道事業から不動産事業へシフトしていく動きが加速する可能性が高い。
コロナ禍による過去最大級の鉄道事業の赤字の発生もその動きを加速させているだろう。
鉄道会社がREITを設立するとなると、保有不動産の売却にうってつけのため、「REITはゴミ箱」というREIT最大の問題点として焦点が当たる可能性もある。
鉄道REITについては、そうならないようなスキームに構築されて欲しい。
※本記事は情報提供を主たる目的としたものであり、投資手法を紹介したり特定の銘柄を推奨するものではありません。個々人の投資に関しての責任は一切取りかねますのでご留意ください。