不動産証券化マスター要点整理④(不動産証券化の仕組みとファイナンス)
今回は、不動産証券化マスターの出題範囲から不動産証券化の仕組みの基本と、ファイナンスの分野を掲載した。
個人的には証券化マスターの範囲の中で最も面白い分野だと思うので、楽しみながら学んでいただきたい。
※本記事は不動産証券化マスター本試験過去問を参考に作成しています。
不動産証券化概論
資産の証券化・・・資産の所有者が、キャッシュフローを生み出す特定の資産を自身のバランスシートから切り離して、倒産隔離や信用補完の措置を施すことで当該資産に係るリスクを目的にかなった形で加工すること。
まずは、毎年不動産ファンドの歴史を時系列で並べる問題が出題されるため、不動産証券化にまつわる重大な出来事を以下に並べた。
(不動産証券化の歴史)
・不動産特定事業法の制定(1995年)
→・SPC法の制定(1998年)
→・投資信託及び投資法人に関する法律(投信法)の改正施行 不動産ファンドの解禁
・資産流動化法施行 (2000年)
→・J-REITの投資信託ファンズオブファンズが解禁(2003年)
→・金融商品取引法成立(2006年)
→・官民協調による「不動産市場安定化ファンド」設立(2009年)
→・私募リート誕生(2010年)
→・J-REITによる自己投資口取得解禁(2013年)
→・日銀量的質的緩和導入(2014年)
・年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)はJ-REITへの投資を(①)年に開始している。
・不動産が適正な価格でSPVに譲渡されることは、真正売買の条件の1つである。その際の不動産の適正価格は、当該不動産が生み出すキャッシュフローをもとに(②)で求めた市場価格のこと。
・二重課税の回避では、TMK(特定目的会社)や投資法人のように、一定の配当・分配のルールを満たせば、投資家への配当金・分配金を費用として算出する(③)と、信託や組合のように、それ自体がもともと非課税のSPVを使う(④)の方法がある。
・不動産投資顧問業の登録は(⑤)でもよく、(⑥)も要しない。
・不動産証券化は特定の信用力に依存して資金調達をするため、(⑦)と呼ばれる。
①2014 ②収益還元法 ③ペイスルー ④パススルー ⑤個人 ⑥宅建業免許 ⑦アセットファイナンス
不動産証券化の仕組み
・不動産証券化において、不動産価格とは(①)で求められた市場価格のことである。
・(②)とは、債権者の求償権が担保不動産にしか及ばないローン。(②)では債務不履行による貸付金の回収不足が生じても、債権者は債務者の他の資産から回収することはできない。
・私募REITは非上場の(③)型の不動産投資法人であり、出資金の払戻などを認めて流動性を確保している。
・債権管理回収業に関する特別措置法に基づく債権管理回収業者が(④)として不良債権の回収を行う。
①収益還元法 ②ノンリコースローン③オープンエンド④スペシャルサービサー
倒産隔離
証券化取引において担保となる資産以外のリスクを投資家が負担しないようにするための法的な枠組みである。
・倒産隔離は(①)自体が倒産するリスクを排除する仕組みを構築する必要がある。
・SPVとして活用される特別目的会社(SPC)は、倒産隔離を国内で完結できる(②)を用いることが一般的である。
・オリジネーターからの倒産隔離を確保するため、SPVへの資産譲渡が法的な真正売買であることを示すために以下のことが必要
- (③)は適正であると考えられること
- (④)が具備されていること
- (⑤)権が無いこと
①SPV ②一般社団法人 ③売買価格 ④第三者対抗要件 ⑤買い戻し
ファイナンス
※毎年、債券の計算が出てくるので以下の式を必ず覚えること!!
償還利回り(%)=〈年間クーポン収入+(償還価格-購入価格)÷残存年数〉÷購入価格×100
・イールドカーブは短期金利ほど(①)、長期金利ほど(②)なる。
・金利低下が高まり、金利の先安感が強い場合、(③)という長期金利が短期金利を下回る現象が発生することがある。
・顧客が売買代金の一定比率を委託保証金として証券会社に預託し、買付資金を証券会社から借りて売買を行い、所定の期間内に返済する取引を(④)という。
・ペイオフとは、預金保険制度に加盟している金融機関が破綻した場合に、預金保険額の元本(⑤)万円までと利息額のを保険金として預金者に支払うことである。
・株式、社債、CP等による資金調達は(⑥)金融。
・市場参加者の間で相対取引がなされるのは(⑦)市場。
・(⑧)取引はある商品を、将来の一定期日までにあらかじめ定める価格で売り付けまたは買い付けする権利の取引である。
・金融商品取引法に基づく開示は、書類提出から講習縦覧に至る手続きが(⑨)で電子化されている。
・2004年の改正で、(⑩)改正で信託銀行は知的財産権を含む財産権一般について受託することができるようになった。
①低く ②高く ③逆イールド ④信用取引 ⑤1,000 ⑥直接 ⑦店頭 ⑧オプション
⑨EDINET ⑩信託業法
ファイナンス②
・ノンリコースローンは、特定の事業もしくは資産から発生するキャッシュフローのみを返済原資にする融資のことで、(①)に分類される。
・プロジェクトファイナンスは、特定のプロジェクトに必要な資金調達をプロジェクトを遂行する(②)が行う。
・プロジェクトファイナンスの契約には、貸出前提条件やコベナンツといった規定が貸出人の(③)の観点から盛り込まれることがある。
バーゼルⅡ
バーゼルII・・・主要国の金融監督当局で構成するバーゼル銀行監督委員会が2006年末から大幅に変更したもの銀行の経営が健全であるかどうかを示す自己資本比率を算出する国際ルール(BIS規制)である。
・バーゼルIIにおけるリスクの算出方法について、バーゼルIIでは、(①)と(②)、さらに(②)を(③)と(④)に区分し、簡易なものから高度なものまで3つの手法から各銀行が選択できるようになった。
・バーゼルIIの自己資本比率算出に際しては、情報漏洩により銀行がリスクを定量化し(⑤)に加算される。
・バーゼルIIではシステム障害により銀行が損失を被るリスクが(⑥)。
①標準的手法 ②内部的格付手法 ③④基礎的手法、先進的手法(順不同) ⑤分子 ⑥含まれる。
CL0
CLO・・・Collateralized Loan Obligationの略称で和訳はローン担保証券。資産担保証券の一種。
・米国で発行されるCLOのうち9割が(①)型に分類される。
・2000年台半ばに財務省が政府系金融機関向けに財政融資資金貸付金を担保とするCLOを発行しており、それは資金調達の(②)を目的に作られた。
・CLOは信用リスクのみをSPVヘ移転するクレジットデフォルトスワップを活用した(③)型である。
①アビトラージ ②多様化 ③シンセティック
銀行業務
・短期プライムレートは、銀行の貸出基準金利の1つで(①)に連動した短期の貸出基準金利である。
・(②)とは、預金保険制度に加入している金融機関が破綻した場合に、預金保険機構が元本1,000万円までとその利息額を保険金として預金者に直接支払うことである。
・(③)とは、基準金利に対する上乗せ金利を指し、銀行の引き受ける信用リスクやコストに見合うリターンと言える。
・2011年に改正されたPFI法により、民間に長期間にわたり公共施設の運営権を付与する(④)方式が採用された。
・DSCRはフリーキャッシュフローと元利金返済額から元利金返済能力を示す指標で、単年度を示す指標が1.0を(⑤)場合、元利金の支払いに余裕があることを示す。
・住宅ローン以外に地方公共団体向けローンなどはカバーローンの対象と(⑥)。
①預金金利 ②ペイオフ ③貸出スプレッド ④コンセッション ⑤上回る ⑥なる
CMBC
CMBS・・・Commercial Mortgage Backed Securitiesの略。商業不動産担保証券や商業用モーゲージ証券と呼ばれる。 多くは住宅ローンや商業用不動産などに実施した融資をまとめて証券化した金融商品。
・CMBSの担保になる商業用不動産向けローンは、アモチゼーションにより返済期日までに返済されるのではなく、担保不動産の売却またはリファイナンスにより返済期日に残存する元本の(①)により返済される。
・CMBCの担保となる商業用不動産向けローンは、借入の実質的な主体に対してノンリコースローンという特徴を有する。そして、借入の実質的な主体の信用力を担保不動産から切り離すために借入人を倒産隔離された(②)とするのが、一般的である。
①バルーンペイメント ②SPC