ジャパンホテルリート徹底分析!!
※本記事は情報提供を主たる目的としたものであり、投資手法を紹介したり特定の銘柄を推奨するものではありません。個々人の投資に関しての責任は一切取りかねますのでご留意ください。
今回は先週、中間決算を発表したジャパンホテルリートについて決算内容や株価、今後のホテルの見通しについて分析していく!!
JHRについて
ジャパンホテルリート投資法人(JHR)の基本情報
(スポンサー)SCJ One(S)Pte. Ltd(MAIN)共立メンテナンス 、オリックス株式会社
(資産運用会社)ジャパンホテルリートアドバイザーズ
(投資アセット)ホテル
(資産総額)3,700億円
※20210/10時点
メインスポンサーのSC CAPITAL PARTNERS グループは、SC Captal Partners Pte. Ltdから構成されるアジア・オセアニア市場を投資対象地域として不動産投資ファンドの運用業務を行う独立系のグループ。2012年にゴールドマンサックスが親会社であったジャパンホテルアンドリゾートを吸収合併し、今の会社が誕生している。
JHRの特徴としては、同社がラグジュアリー・アッパーミドル・ミッドプライス・エコノミーとホテルを分類する中でアッパーミドルとミッドプライスの割合が75%を超えており、同じホテルREITのINVと比べても中の上のホテルが多い点である。
2021/6中間決算
JHRの2021年度中間決算内容については以下の通りである。
営業収益:4,589百万円(-17.1%)
当期純利益:-1,488百万円(-937百万円)
一口あたり分配金:-333円(-210円)
※ ()内前期比
稼働率も今年に入ってからほぼ40%を切っており、俄然厳しい状況である...
投資口価格は割高なのか
JHRが中間決算でもボロボロで分配金利回りも1%を切ることもほぼ確実な中、投資口価格は堅調さを示している。
(参考)JHR5年間チャート
※Yahooファイナンスより 7月5日時点
一時はコロナ前から70%ほど投資口価格が下落し、25,000円も割った。しかし、そこから順調に上昇し、ボトムから2.5倍以上の上昇を見せている。
いわゆるアフターコロナ銘柄に分類されるホテルREITだが、その他のアフターコロナ銘柄である航空株や飲食株に比べ戻りが早いようにも思われる。
JHRを始め、ホテルREITが比較的、投資口価格が堅調である理由には以下のようなことが挙げられるであろう。
- REIT市場が堅調であった。
- 倒産リスクが薄れた。
- コロナ収束次第、ホテル需要が伸びることは目に見えているため。
特に、2番が大きく、JHRに関しては分配金は無いに等しいものの、LTVが健全な水準であり、コロナ後の復活が容易に想定できる。
コロナがいつ収束するのかは見通せないが、収束してホテルの稼働率がコロナ前の水準に戻り次第、じっくり投資口価格についても回復していくだろう。
ホテルREIT今後の見通し
JHRは2022~2023年をウィズコロナ時代、2023年以降をポストコロナ時代と位置付ける。
来年2023年までは耐え忍ぶ時期で、2024年以降はホテルを順調に稼働させる時期にするということであった。
今の状況では、インバウンドも海外旅行が解禁されるのは早くても来年春以降になるとも思われ、今年中の急速な回復も期待できない。
結局のところコロナの感染拡大の状況によってホテル業界は左右されるのであるが、ホテル業界の人々はコロナが収束したときいち早く需要を取り込めるよう努力している。仮にコロナと共存する世界になったとしても、その世界に合わせた運営の仕方を考えているであろう。
JHRに関しては、既存物件の賃借人変更やリブランドによるホテルのバリューアップを実施し、より良い運営をしようとする努力が決算資料から読み取れた。今後の復活を期待している。
最後に、私自身2023年以降の注目されるアセットは物流でも住宅でもなくホテルだと思っている。なぜなら、コロナ後はペントアップ需要を期待でき、なおかつコロナ後の日本の戦略において特にインバウンドを強化していく必要があるからである。
これからのホテルの復活にはとても期待してるし、楽しみである。
※本記事は情報提供を主たる目的としたものであり、投資手法を紹介したり特定の銘柄を推奨するものではありません。個々人の投資に関しての責任は一切取りかねますのでご留意ください。